翌週、せっかくなので、父:正夫も連れて3人で不動産屋さんが紹介をしてくれた物件の内覧に出かけた。

入居者がいるということもあってか、大家さんも一緒に内覧に同席をしてくれた。

2LDK。63平米。

華が一人暮らし後、2人と一匹が暮らすのには十分な広さだった。

そして、もう一つ思いがけない嬉しいプレゼントが。

そう、庭が付いていたのだ。

玲子も華も先週間取り図をもらったのに、見るのを忘れていたのだが、この部屋は1階でなんと庭付きだったのだ。

今住んでいる社宅は3LDKと広さはあったけれど、部屋は2階にあったので、庭でチョコを遊ばせてあげることが出来なかった。

もちろん、だからこそ毎日の散歩は欠かさなかったわけだけれど、少し足腰も弱ってきたチョコのためにすぐに外に出て遊ぶこともできる庭があることは、永井家にとって何よりのご褒美であった。

「お父さん、庭で思いっきりはしゃげたら、チョコも喜ぶねー。ここにしよう!!」

「そうだな、家賃も問題ないし。あの、私たちは来年の3月までに今の社宅が退去できれば良いので、今お住まいの方の引越しのタイミングに合わせて越してくるようにいたします。こちらの部屋で契約を進めていただいても良いでしょうか?」

「はい、もちろんです。」

こうやって、思いもかけなかった庭付きの部屋を永井家、そしてチョコは手に入れたのだった。