それから4ヶ月。
あの時はなんとなく決めた家だったが、
思っていたよりとても住みやすいことに2人は驚いている。
部屋はマンションの1階なので、階段の上り下りもなくとても楽だ。
そして、南向きのバルコニーからは太陽の柔らかい光が差して明るい。
また、引っ越してみて初めて畳部屋の良さを実感している。
子どもがお昼寝するとき、畳の上ですごく気持ち良さそうにしている。
畳はクッション性もあるので、小さい子どもの足腰の発達にも良いと聞いたことがある。
取り入れた洗濯物をポンっと置いておくのも、畳の上なら問題ないかなと思える。
さらに、目の前が公園になっていて、緑豊かで落ち着くのもポイント。
平日の午前中、公園に保育園児と先生がやってきて遊んでいる風景や、子どもたちの声が生活の中の1つのサウンドとなり、なんだかほっこりする。
住んでまもなく、爽やかイケメンのオーナーさんが挨拶に来た。
「このマンションには同じような子育て世帯がたくさん住んでいるので、みんなお互い様。静かにしなくちゃいけないとか、気を遣わなくてもいいよ。
僕たち家族もこのマンションの住人なので、なんでも相談してくださいね!」と言われ、とても安心した。
賃貸物件は住人同士が疎遠なイメージがあったけれど、いい意味でお節介なオーナーさんに助けられ、今も難なく生活を続けられている。
というか、120%楽しんでしまっている。
相変わらず子育てや仕事に追われる毎日だけれど、
この家に流れる穏やかな時間が、今はとても愛おしい。
一駅隣の武蔵小杉には大型ショッピングモールがあって便利だし、
これまたお隣の武蔵新城には商店街や個人店がたくさんあって、歩いているだけでも楽しい。
武蔵新城へは徒歩圏内なので、週末のお散歩コースになっている。
また近くにDIY工房があるのも洋平がワクワクしたポイントだ。オーナーさんに、お部屋をある程度DIYしていいと言われているので、今度新しい棚を作りたいと思っている。
「もう少し生活が落ち着いたら、絵美を連れて海に行こう!そしたら、そしたら、、小麦色に焼けた肌。子育てや家事も手伝うイクメン。テンポの良いカリスマ的授業を展開する、世間も羨むような小学校教諭に一歩近づくね!」
「はいはい。」
「うえ~~~~ん」
「あ、洋平、絵美を泣きやまして!」
「ハイ!」
洋平と夏希は、絵美が小学校を卒業するまでこの家に住めたらと思っているようだ。
fin.