【糀谷】ピアーチェウチムラパートVIII
【大田区:京急空港線沿線】
ストーリー

月曜日、朝5時30分。
羽田空港の国際線ターミナルに、香港から降り立った飛行機が予定時間通りに到着をした。
深夜0時40分発のフライトを終えた乗客たちは眠そうな目をこすりながら、足早に到着ロビーに向かって歩いていく。
その乗客の中に、2泊3日の香港旅行を終えた「金田直樹・亜希子」夫妻もいた。
二人の趣味は海外旅行。
出会いのきっかけも、それぞれが海外で一人旅をしていた先で宿泊したドミトリーが一緒だったこともあって、結婚した今は当たり前のように二人で海外旅行を楽しむようになっていた。
海外旅行のペースは月1回。
会社員である二人にとって、海外旅行のための有給取得に限界があるので、最近の旅行は、もっぱら「週末弾丸旅行」で、この日も、仕事終わりの金曜日のフライトで香港に向かい、週末を香港で楽しんで帰ってきたところだ。
「なお君、今日は何時に出社するの?」
「あ、俺?俺は午後からの出勤にしているから、13時に会社に行けば間に合うよ。亜希子は?」
「私は、朝イチで週明けの会議があるから、9時には出社しないと・・・。一回家に帰ってシャワー浴びたら、会社に行くね。今日の夜、たぶんカラダが使い物にならないから、夕飯は各自で食べるにしても良い?」
「もちろん。今日は早めに仕事を終わらせて、体力回復しような。」
「そうだね。弾丸旅行、楽しいけど、月曜日の朝だけが憂鬱・・・。はー。今日一日乗り切ろうね。」
引っ越してきたのは半年前。二人が入籍をするタイミングだ。
職場は都内、趣味が海外旅行という共通点がある二人にとって、自分たちの趣味が満喫しやすい場所に住みたいというのは、譲れない物件探しの条件だった。
とはいえ、成田空港の近くになると、都心からは遠くてアクセスが悪い。
その点、最近は国際線のアクセスも増えている羽田空港の近くは、願ってもない好エリア。
相談をして、羽田空港に近い場所で一緒に住む物件を探そうということになった。
一見すると、これだけ趣味が似ている二人。物件探しもスムーズに行くように思えたのだが、実はこの生活を手に入れるまでは、ちょっとした物件探しのストーリーがあったのだ。
「亜希子、今日見た物件の中でどの部屋が一番良かった?」
「うーん、間取りはどれも、それなりに良かったと思うけど、なんかピンを来ないんだよね、どの部屋も。」
「ピンと来ないって、具体的にどこがどんな風になっていれば良かったわけ?」
「だから、それが具体的に言えないから、ピンと来ないって言っているの!」
「出た、女子の感覚!俺は、2件目に見た物件が良いと思ったけどなぁ。」
「うーん、悪くはなかったんだけどね、悪くは・・・。」
最初に二人が物件を探したエリアは「蒲田」。
品川を経由して職場に行く二人にとって、蒲田駅近くの物件は、趣味の海外旅行の面でも、通勤の面でも申し分ない立地だった。
また、友人のほとんどが都内に住んでいることもあり、週末にランチや飲み会で集まりやすいというのも、二人のライフスタイルに合っている場所。
の、はずだった・・・・。
しかし、物件を見ても見ても、亜希子のOKが出ないかった・・・。
「亜希子、いつまで部屋探すつもり?こんな調子だから、俺が良いって言っていた物件も、他に決まっていくし、このままじゃ俺たち一緒に住めないよ?」
「うん、わかってる。今住んでいるところも更新もあるし、そろそろ決めないといけないよね。」
そして、住む場所として選ぶ街、選ぶ部屋は、その人の価値観が見事に現れる。
今まで見てきた部屋は何かが違うと感じた亜希子は、次の週末、京急空港線の蒲田~羽田空港まで、一駅ごとに降りて、街の雰囲気を自分の目で確認をすることにした。
同じ大田区。羽田空港の近くとは言っても、駅によって街の雰囲気は様変わり
する。
部屋の間取りを見てもピンと来なかった亜希子は、街の雰囲気から部屋選びをしてみようと思ったのだ。
天空橋から始まり、穴守稲荷、大鳥居、糀谷と、それぞれの駅で降りて、街の散策をした亜希子。
その中で、「あ、この街に住みたい」という駅が一つだけあった。
それが、今住んでいる街「糀谷」だった。
駅前には開けた広場と、今時の高層マンションがある「糀谷」。しかし、一歩足を踏み入れると、商店街が軒を連ね、雑多な街の雰囲気に、23区内とは思えない、ゆったりとした人の動き。少し路地に入ると、雑多な雰囲気から一転しておしゃれなカフェに出会ったりする。
その街の流れを見たときに、まざまざと、自分がここで生活をするイメージができた。
駅から数分、糀谷の街を散策していると、面白い看板が目に止まった。
「PEARCE UCHIMURA」と書かれた看板。ここだけ急に海外に訪れたかのような雰囲気を感じた。よく読んでみると、どうやら、マンションの場所を案内している立て看板のようだ。
「へー、面白い取り組みをしている人が、この街にはいるのね。」
そう思ったら、亜希子は益々この街に住みたいと思った。
そのとき、見た看板に書かれていたマンションの一つ「ピアーチェウチムラVIII」の一室に、今、直樹と亜希子は住んでいる。
でも、その部屋を手がけるオーナーさんの想いや、その部屋を彩る街の雰囲気で、その部屋の価値は大きく変わる。
街のシンボルになるような看板を作ってくれていた大家さんが管理する部屋は、内見に入った瞬間から、どこか温かさを感じた。
その温かさの根拠は亜希子も説明がつかない。でも、確かに感じたのだ。
直樹と亜希子は、オーナーさんの温かさを感じる部屋と、人の温かさを感じる街に住み、そこを拠点にしながら、職場と、時に海外を行き来している。
帰ってくる場所は、大田区・糀谷。
駅に降りた時に「ただいま」と言いたくなるこの街は、二人にとって第二の故郷になっていた。
Fin.
物件概要
間取 |
2DK |
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広さ |
Coming Soon |
アクセス東京都大田区西糀谷1-29-1
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マップ
東京都大田区西糀谷1-29-1
オーナー
内村兼一・内村直美
大学の薬学部卒業後、製薬会社へ就職。薬剤師国家試験合格後、調剤薬局勤務を3年ほど勤務。
平成8年に白衣を脱ぎ、宅建業者として父の所有する物件の管理業をスタート。
現在も家族みんなで自主管理をしながら、父の物件を日々見守り続けております。
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